毎月の例会で、会員の有志がこけしを展示して、そのこけしにまつわる話を聞かせてくれます。

9月例会ギャラリー

新山福太郎と系列のこけし
(橋本永興)
写真上
写真下
 「蔵王東のきぼこ」の小関幸雄の記事に興味を持って、27年になる。その間小関幸雄の福太郎型を求め続けた。一昨年小関幸雄工人から当会へ手紙が届き、年をとりこけしが出来なくなったとの事であった。もう福太郎型は無くなってしまうのかと寂しく思っていた。
 写真上左は福太郎1.5尺昭和30年前後作。同右は小関幸雄同寸昭和53年作、師匠の復元作である。写真下左端は福太郎8.7寸昭和17年作、これ以前の作風は瞳が大きく、鬢が長く、頬紅を大きく付けているのが特長。写真下左中は福太郎7.3寸昭和32年作。眼点が寄りバランスが崩れてきている。写真中央は新山福雄6.2寸昭和30年代作、師匠の同時代とよく似ている。写真下右中は小関幸雄5寸昭和51年作、福太郎の特長をよく捉えている。
 写真下右端は新山真由美6寸福太郎型平成12年作、初々しいこけしである。福太郎系こけしが消えかけた今、新山真由美工人に期待することは大きい。種々の型をこなす将来有望な真由美工人に福太郎型を継承して良い作品を作ってもらいたい。