毎月の例会で、会員の有志がこけしを展示して、そのこけしにまつわる話を聞かせてくれます。

11月例会ギャラリー

神尾長八と栄治のこけし
(百足正文)
写真上
写真下
神尾長八は明治30年に天童市久野本に生まれ、43年倉吉に弟子入りをした。父長三郎は倉治に明治11年より20年迄木地挽を修業。

深澤要氏は昭和10年に柴田はじめ氏に紹介されて長八を訪問した。こけし木地が数本有ったので描彩を頼みましたが、結果が良くなく長八はあまりこけしを作っていないと思った。近所の茶屋で休息中店主おさよさんが古こけしを持っていたので、久之本こけしを入手した。この事は「こけしの微笑」に詳しく述べられている。長八のこけしは面相が数種類あり、しかしながら一様に野趣に富み情味がある。

写真上左の長八のこけしは昭和16年の作で五弁の花、形状など全体的に丁寧に仕上げ蔵王高湯の影響があります。

会田栄治は昭和4年天童市久野本に生まれる。昭和22年天童木工に入所して鉋や鋸の使い方を習う。ロクロは丹野辰彦より指導を受けた。長八は物静かな人であったと栄治さんは記憶している。長八よりの直接の指導はないという。写真上右は長八型の特徴である鯨目こけしで、昭和42年作。素直な筆致で忠実に再現した。

現在の栄治さんの作品は白地の檜を素材に赤ちゃんの手の温もりと優しい感触を大切にと心懸けている。

写真下右は敬三郎さん、左は栄治さんの昭和29年頃の作。

会田さんの話によると、孫の稔宏さん(19才)が後継者として現在修業中で、心より嬉しく大いに期待しているとのことです。