毎月の例会で、会員の有志がこけしを展示して、そのこけしにまつわる話を聞かせてくれます。



−11月− 佐久間俊雄のこけし
(手塚 正二)
佐久間俊雄のこけし
佐久間俊雄は芳雄の長男として、昭和23年2月16日に生まれた。佐久間浅之助、由吉、芳衛、芳雄と続いた湊屋の後継者として、将来を嘱望された。

写真右は4寸、次は8寸坊主頭の由吉型。小寸のほうが目付きが優しく、昭和50年代初期のころかと推察します。8寸のほうは、それより3〜4年後かと思いますが、目付きが鋭くなって来ています。

研究熱心で自分の工夫を上手に表現し、色々製作している。地蔵型は子持ちですが、轆轤技術も優秀で繋ぎ目が、一見しただけでは気づかせず、きちっとはめ込める点は立派である。中の子供は1寸5分です。帽子こけし、まげ付きこけし等各種を作り出したが、健康にあまり恵まれず生産量はそう多くは無い。

入手したこけしは大体何処で、いつ頃手に入れたかを覚えているが、このこけしに関しては地蔵型は多分例会頒布で手にした感じで、他の3本はまったく分からないのが不思議である。

文献類も少なく 「こけし手帖357号」 に小川幹事の 「俊雄のこけし」 の記事と、緑書店発行の 「伝統こけしハンドブック」 に記載されている程度です。

将来嘱望された俊雄さんは、この12〜3年入退院を繰り返していましたが平成14年3月24日ご逝去されました。ご冥福を祈ります。

ご遺族の意向で明らかにしたくないと言うことで、発表が遅くなりました。

俊雄さんの後を継ぐ人が居ないため、湊屋本流が消えるのは寂しいかぎりです。